Nabeshoについて

会長からの挨拶

最も大切なもの、それは「まごころ」

ナベショーの考え方はユニークだ、変わっている、とよく言われますが、私自身は決してとっぴな考え方をしているつもりはありません。商売をやっている以上、もちろん利益は大切ですが、人間として最も大切なもの、それは「まごころ」だと思います。まごころは、必ず相手に伝わる。そこから人と人とのふれあいが生まれ,信頼が育つ。すべてはここから動き始める。これが私たちの基本です。

私が社会に出た頃、つまり昭和40年代の日本は鉄鋼業界に限らず、世の中全体が利益最優先主義でした。いわゆる高度成長です。とにかく儲けた者が勝ち、という風潮に非常に反発を感じたんです。商売とはこんなものじゃない。相手に喜ばれ、相手の役に立って堂々と利益をあげたい。そう思い続けて、現在にいたっているわけです。

心と心で結ぶ“NSグループ”

当社を中心とする“NSグループ”という企業グループがありますが、これは資本的な結びつきではなく、おたがいの信頼関係をよりどころとしているからです。

グループ内で資本の貸し借りはしない。お互いが協力して、それぞれの経営が成り立つように努力していく。リスクがあるならそれは平等にかぶっていく。そのなかで当社は、情報基地として、あるいは頭脳集団としてグループ全体を伸ばしていくという様に考えています。これからの企業グループの結束力は、グループ内のコミュニケーションにかかっていると言ってもいいでしょう。

当社が急速に伸び始めて十数年経ちますが、私は入社以来信念をもってやってきたこの運営方針が、気持ちが、やっと通じ始めたんだなと思うと、なによりうれしい思いです。

渡邊泰博

ナベショーは、“鉄”だけではない。

当社は、業界紙などでは便宜上「スクラップ専業商社」というように紹介されますが、私の気持ちとしてはいわゆる「鉄屋」ではありません。もちろん売上の90%は鉄鋼の流通で占めていますから本業といえば本業ですが、だからといって“鉄”という枠の中にかたよってしまいたくない。ですから人材を募集する場合でも、当社はあえて未経験者をとるんです。

鉄の世界だけにどっぷりつかっていると、人間そのものもかたよってしまうでしょう。これからは、ナベショーが商社として扱っている商品の一つがスクラップである、という捉え方をして頂けたらと思っております。

創業100周年、そして更なる未来への推進力

過去は振り返らず、これからのことを考える。たまたま自分たちがいるときに100年を迎えたに過ぎない。しかし、「100年に1度の不況」だから、私の考え、思いを真っ直ぐに社員に伝えることができる。初心に帰るといってもなかなか難しい。これまで口で言っても伝わらない部分もあったが、創業100周年となる本年、初心に帰れる最高の年となった。

損をすることは問題ではない。何もしないことが問題で、だから私は『損をして得を取れ』と言っている。ただ、自分が得をしようとすれば、上司や取引先にウソをつくかもしれない。それに損の仕方にもたくさん種類がある。結局、自分だけ安く買い、高く売ることはできない。行き着く先は過当競争になる。それに乗るのではなく、最高値よりも少し安く売り、最安値よりも少し高く買うことが理想で、市場の中間、最もボリュームがあるコアの部分で仕事の回転数をいかに増やすか。この小さな利益の積み重ねが最も重要だ。これが事業の継続性・弾力を生む。目に見える競争は過当競争を生むだけ。目に見えない競争が適正な利益を生む。それが商売の本当の知恵なのです。

縦割り組織から完全な脱却を図る。部下が上司に相談し、上司が部下に命令するだけの指示組織自体が利益を生むことはない。利益は会社の外にある。社員一人ひとりが社長のつもりで、責任を持っていろいろな取引を行なう。100の利益を上げるのに、上司から部下まで一斉に動くのではなく、一人ひとりがそれぞれでビジネス展開することこそ究極のコストダウンなのだ。本業の「市中鉄源」流通事業を活性化するために、異業種に果敢にチャレンジした。鉄鋼業界、ことに「市中鉄源」流通業界は昔から労働集約型の男のイメージが強いが、しかし、ハードと共にソフトが多角化した現在、男の世界である必要が果たしてあるのか疑問だ。

キッチン、アパレル、デベロッパー事業、イベント企画やLED照明事業などもそういった考えから始まり、最近では業種に関係なく多様なお客様がたずねて来て戴けるようになった。ビジネスチャンスはどこから生まれるか分からない。だから狭い窓口にこだわらず人と人とのつながりを大切にする。それこそがNSGの活力、未来への推進力なのです。

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